月の盾

月の盾 (電撃文庫)

月の盾 (電撃文庫)


欠点があるか、と言われればハイと答えます。
これが大ヒットするかと聞かれれば、いいえと答えます。


ですが、買って微塵も後悔していません。


いや、何がいいのかと問われれば説明しづらく、なかなか困るんですが、それでも電車の中で座って読み、自分の降りるべき駅で気づかずにスルーしそうになった程度には、熱中して読んでました。
後半、最後あたりのまとめ方に難があるなぁ、とは思うものの、それまでの物語展開としては、一般書籍にならべてもあまり遜色のない出来。
良くも悪くもアニメ的ではなく、リアルな、ジュナイブル的な雰囲気なんですよ。


ファンタジーな世界設定の中で日常があり、戦いがあるわけではなく。
日常の、平凡な日々の中にちょっとした奇跡がある。
こういった感じの話に、私はかなり弱いらしいです。


そんなわけでラノベにしては珍しく、挿絵が無い方がいいなぁと、個人的には思った本でした。
普通であれば得した気分というか、ちょっとしたおまけがもらえたような気持ちになれるものなんですが、この場合は、どこか違和感がありました。
脳内イメージで、人物がけっこうリアルに登場してしまうので、挿絵でまさにラノベって絵が登場すると「いや、それは違うだろ!」と突っ込みを入れてしまい、読む手が止まってしまうのです。
影絵的な、雰囲気のある絵であればもっとマッチするのにと車中で歯軋りしつつ「なんでやねん!」と叫んで読むという迷惑極まりない人間を誕生させてしまうほど惜しいのです!
いや、ウソですが。


ともあれちょっとおすすめ。
決して義理の妹がヒロインだからというわけでは決して(略