五十嵐大介
天才というよりも桁外れの幻視力と表現力の持ち主。
自分の体験をきっちり映像化できる上に、それとまったく同じ地平で幻想や異界を描ける人です。
いや、凄いんですよ。
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/01/28
- メディア: コミック
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悪夢紙一重の世界を、けれどあまり嫌悪感を感じさせずに描き、その上で曖昧でうつろいやすい、けれど確かな輝きがある精神性をぶち込んでくれてやがります。
童話を一切のデフォルメ無しで、果てしなくリアルにしたらこうなるんじゃないでしょうか。
もっと評価されるべきだし、もっと多くの人に知って欲しい漫画家です。
ネット上ではそこそこ知られているみたいなんですが、世間一般ではまだまだマイナー。
それが惜しい。
いや、ホントに。
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/23
- メディア: コミック
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田舎に帰ってきた主人公が、ひたすら食物を作り、料理しまくるマンガ。言ってしまえばそれだけなんですが、「これは作者の自叙伝です」と書かれたら素直に納得できるほど、妙にリアル。
五十嵐さんの作品すべてに言えることですが、生活感そのものに、ものすごく魅力があります。
そして、いわゆる田舎的な嫌な部分、地縁やらつきあいやら陰口やら、これはほとんどないんですが、生活や暮らし、人生における嫌な部分はきっちりあります。
つまり、人としてリアルな部分がちゃんとある。
私は、こういった類の、生々しい悩みとかは忌避することが多いのですが。これは読んでいて、さほど嫌な感じがしませんでした。
日々の生活が主で、こうした悩みはあくまでも従として描かれているからでしょうか。
あ、ただこれは、ダイエット中の人が読むべきマンガではありません。
ゼッタイに腹が減ります。
間違いなく「あ、これ食いたい」とか思います。
あまつさえ「ちょっと作ってみようかな」などと考えはじめます。
年末に向け、ちょっと甘酒でも作ってみようかと私はかなり本気で迷ってます。
うーむ、麹ってどこで売っているのだろう。