ジョン平とぼくと2 ジョン平と去っていった猫


なごむー。
そんなほのぼのとした話じゃないはずなんですが、妙になごみます、この小説。なごなご。
主人公も原因なのでしょうが、もっと主な原因はジョン平でしょう。


ちょっと解説しますと、ジョン平というのは主人公の使い魔の犬です。
世界観として現代日本で魔法が一般的になってるいて、誰もが使い魔を持ち、それらと会話ができるわけ設定なわけですが……
いやはや、素晴らしい駄犬っぷりなのです!
これは、決して貶めているわけではありません。
客観的に評価するなら意外と活躍してますし、なんだか縁の下の力持ちというか影から主人公を助けているのですが、それらすべてを帳消しにするほどの駄犬っぷり!


主人公の都合? シリアスな場面?
知ったことじゃないとばかりにいつものように、そっぽを向いたり遊びの一種だと勘違いしたり。
一巻ほどではありませんが、二巻でもなかなかのマイペースっぷり。
まったく役に立たない使い魔だからこそ役に立つ、そんなパラドックスです。


……あー、なんだかジョン平のことしか書いていないので全体のことについても少し書くと、魔法が一般的な現代日本を舞台に、日常と少しズレた事件が起こる。そんな感じです。
適当に書いているわけでは決してなく、本当にそうとしか書けない。
むしろ本書の魅力は、ラノベではあまり描かれない、主人公の普段の生活模様やモノの感じ方・考え方、どこか味わいのある文章だと思います。

こうした分かりやすい起伏に乏しい小説は、好みが分かれるのかもしれませんが、個人的にはとても好きでした。是非とも長期連載して欲しいです。


あ、それと作者のホームページである大西化学
このサイトも、とても面白いです。


以下ネタバレ



……ついにヒロイン登場か!
などと思っていたら思いっきり肩透かしを食らいましたとさ。ふふ。
もしかして、ヒロインはジョン平ですか?
というか、原作スターウォーズや寅さんのように振られ続ける主人公なんですか?
ある意味ネコミミ娘、しかもリアルでそうだというのに、実に惜しい……!(←何かを間違えてる


うーん、しかしジョン平の能力とやらは、一体なんなんでしょうかね。
今のところヒントとしては、
①主人公の魔法を阻害する
②他からの魔法も受け付けなくさせる
どちらも決定的なものではなく、むしろ減少させる、って表現したほうがいいみたいですが。
といよりも、周囲の陽素を吸収してる、または、主人公から要素を横取りしてるっぽいです。
うーむ、どちらにせよ役に立たない能力。
これで陽素を溜め込み自由に使えるとなれば便利でしょうが、果たしてそこまで出来るかどうか。
出来たとしてもジョン平が主人公の言うことを聞くかどうか……!

あ、けれど、ここまであからさまだと、裏の一枚や二枚はありそうです。
二巻もかけて引っ張ってる伏線ですしね。