アリアンロッド・リプレイ・ルージュ(3)ノエルと白亜の悪夢


ふぃあ通一月号を聞いて、なんだか面白そうだなぁと思い買ってみました。
ええ、買ってみました。
買ってみたんですが……ッ!

以下、超ネタバレ

トーラーンー!!!!


ああ、もう!
こういうのはアカンですよ。
駄目ですよ。
やっちゃアカンでしょう!
ああちくしょう! 買ってしまって後悔しているようなもの凄く納得しているような!
だけど二巻だけで止めておけば、そうすれば、そうすれば……!!


…………キャラクターの死っていうのは、現実とはもちろん違うわけですが、それでもある意味同じことなんだなぁと、しみじみと思いました。
GOTHのとある犯人が言ってましたっけ、つまりは、可能性や未来の喪失です。
普通に大円団で終わっていれば、その先にどのような物語があってもおかしくない。少なくとも、矛盾が出ない範囲で想像することが許されます。
けれどトランに関しては、それはもう許されないわけです。
時間を巻き戻して「こうだったんじゃないか」と、過去の出来事を想像することはできても、その先のこと――たとえば全てが終わった後であの村に戻りざくざく畑を耕したりするとか、子どもたちにものを教えるとか、アルテアに説教されて困った顔をしてるとか。
そうしたもろもろのことが、もはや本当に夢物語にしかならないわけです。


いや、ごめん、細かい理屈はどうでもいいや。
「死んで欲しくなかった」。結局は、ただそれだけですよ。
見事な散り際ではあるけれど、それでもやっぱり、四人で旅を続けて欲しかった。
トランという、ちょっとトボけた、でもどこか親しみの持てる魔術師を、もっともっと見たかった。


あの場面。故郷の危機的状況の中、
生命力貧弱な魔術師が、40人以上の騎士に向けて、


「あなた方から、この村を守ろうと思いまして」


なんてサラリと言える。
そんなキャラクターに、消えて欲しくはなかった。


それと、途中途中で何度も「助かるか!?」と思える場面があるのが、これまた、キツイ。
自分のできることと周囲の状況を見極めた上で、そりゃあミスはあったけれども、それでもぎりぎりの選択をした上での『偶然』――サイコロの目による死っていうのは、こりゃあやっぱりキますよ。極悪ですよ。


常にほのぼの〜とした雰囲気で、真剣な戦いの場面でもどこかほんわかしていて、だからこそこの急転直下は、すさまじい破壊力でした。
いや、本当に。





最終巻は、なにがあっても買います。